[労基情報2] 

"jlsic" の労働条件、労働基準情報。

社内の内部通報制度の信頼性が問われた裁判/オリンパスの配転命令は「嫌がらせ」(違法)

 (2011.8.31共同通信記事から)


>>> 社内のコンプライアンス(法令順守)窓口への通報で不当に配置転換されたとして、大手精密機器メーカー「オリンパス」(東京)の社員が会社側に1,000万円の損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は8月31日、請求を棄却した一審東京地裁判決を変更、配転を無効と認め、220万円の支払いを命じた。


  判決によると、社員は、上司が取引先の社員を不正に引き抜こうとしていることを知り、2007年6月に通報。窓口の担当者が社員の名前や内容を上司や人事部などに漏らした後、営業職から3回にわたって別の部署に異動となり、新入社員用のテキストを使った学習をさせられるなどした。 <<<


東京高裁は判決で、


(1) 内部通報による不利益な取り扱いを禁止した社内の運用規定にも反し「人事権の乱用」である。


(2) 通報窓口の担当者は秘密を守って、適正に処理しなければいけなかったのに、守秘義務に違反した。


(3) 配転で「昇格、昇給の機会を事実上失わせ、人格的評価をおとしめた」と認定。配転後に新入社員同様の勉強をさせ、それをやゆした行為も「嫌がらせで違法」とし、精神的苦痛や賞与の減額分を損害と認めた。


などの判断を示した。



[編注、コメント]

 裁判の結果もさることながら


 内部通報制度が企業内で、継子扱いされている現状や企業の本音が垣間見られて興味深い事件だった。


 まず、処分を受けたのが、社内規定に反して守秘義務を犯した通報窓口担当者等ではなく、通報社員だったということ。ここに企業の本音と民度を見た。(上司の取引先社員を引き抜こうとした行為の違法性はよくわからないが、、)


 さらに、人事に最もタブーな行為は「嫌がらせ」だが、
上場企業の対応としてはどんなものだろう。


 恐らく、もっと上層部の雰囲気が人事部の措置に影響を与えているのだろうが、、、。(失うものも大きいような気がする。)


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塩酸タンクに転落、死亡災害−2件の類似災害から学ばなければ、この種の事故は続くだろう

23共同通信(2011/08/24 18:57 共同通信から)


>>> 2011.8.24午前9時35分ごろ、千葉県船橋市西浦の金属製品製造会社「日鉄住金鋼板」船橋製造所で、塩酸が入った強化プラスチック製タンク(高さ約5メートル、直径約3メートル)に男性作業員2人が転落した。駆け付けた救急隊員らがタンク内の塩酸を抜いて2人を救出したが、昼すぎに現場で死亡が確認された。

 製造所によると、2人は、埼玉県内の下請けの配管工事会社から派遣されたSさん(42)とGさん(43)とみられる。船橋署は、遺体の損傷が激しいことから、DNA鑑定などで身元を確認するとともに、事故原因を調べる。<<<(2011/08/24 18:57   共同通信)



この事故に関連した他紙の報道


(日鉄住金鋼板」船橋製造所のコメントを中心に)


>>> タンクは強化プラスチック製で十トン入り。事故当時は塩酸約七トンが入っていた。人が上ると危険なため「作業前にタンクに上ってはいけないと指導していた」(同社担当者)という。二人は鉄製はしごを使って上り、配管を外す作業中だった。<<< (東京新聞2011年8月25日 朝刊)

>>> 塩酸は鉄のさび落とし用に保管されていた。タンク上部は人が乗って作業することが想定された構造になっていないという。同製造所は「タンクの上部に乗る作業は今回は予定されていなかった」としている。<<< 2011年8月24日 20時4分毎日新聞

>>> 日鉄住金−「はしごは、塩酸の残量を示す「液面計」を見るためで、タンク上部は半球面となっており、上る構造にはなっていない。上部のFRPの厚さは不明」<<< (NHKニュース)


[編注,コメント]


  >>> はしごは、塩酸の残量を示す「液面計」を見るためで、タンク上部は半球面となっており、上る構造にはなっていない。

→ タラップの構造から、タンク上部に上る目的にも使われておかしくない(構造)ようにも思われるが。


  >>> 人が上ると危険なため「作業前にタンクに上ってはいけないと指導していた」(同社担当者)

→ このコメントからは、タンクの上部に乗ることは危険だと認識していたようにもとれる。



もう一件の類似の事故!


 2002.4.27というから、相当前の事故だけれど、東京都北区の中外製薬浮間工場内で、上部FRPを突き破って塩酸タンク内に転落して死亡 -今回の日鉄住金鋼板と類似の災害が起こっているようだ。
 2件の事故から得られる情報として、
 塩酸タンクは、設置当初の強度は別として、塩酸蒸気等にさらされることによる強度の劣化が生じて、上部に人が乗るだけの強度が維持されていない可能性がある。


記事転載
委託作業員、塩酸タンク内に転落して死亡 /本所吾妻橋 (02-04-27 22:11)
   
>>> 27日午前8時15分ごろ、東京都北区の中外製薬浮間工場内で作業をしていた産業廃棄物処理会社の作業員、山崎保男さん(35)が、塩酸のタンクに転落。同僚の男性5人がタンクの胴体部分を切断して救出したが、山崎さんは全身に塩酸による化学やけどを負っており、間もなく死亡した。男性5人も塩酸を浴びて軽傷。タンクは高さ約3メートル、直径約2メートルの円筒形で強化プラスチック製。山崎さんらは中外製薬の委託で、この日午前8時ごろからタンクを交換するためタンク内の塩酸を抜き取る作業をしていた。山崎さんはタンク上部の開口部からホースを入れるため、タンクの上に上がっていたという。タンク上部が破損し転落した可能性もあり、同署が詳しい原因を調べている。<<<



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天竜川転覆事故〜安全管理における「現場に一任」の意味について

船頭教育、現場に一任、天竜川下り運航会社。。。 
(2011.8.20日本経済新聞朝刊から)
 
>>> 浜松市の天竜川で川下りの船が転覆し2人が死亡、3人が行方不明になった事故で、運航会社の天竜浜名湖鉄道が採用した船頭の教育や指導をベテランの船頭に事実上、任せきっていたことが19日、分かった。
 同社によると、船頭は委託社員として公募され、現在22人。2級小型船舶免許を持つ8人のうち、経験も豊富な4人を“ベテラン”として、新人船頭の養成講座などを担当させていた。
 新人には講座を受けさせた後、資格が不要で、操船が比較的容易な船首の船頭を受け持たせていた。
 講座に教本などはなく、ベテランの指導を受け、資格や一定の操船技術を要する船尾の船頭に“昇格”するが、明確な基準はなく、船頭としてのデビューや昇格は事実上、ベテランの推薦に委ねられていた。
 同社は「経営側は船の素人。ベテラン船頭の意見は貴重だった」としているが、静岡県警は、船頭の教育や指導を現場に一任していたことに安全管理上、問題がなかったか捜査を進めている。<<<


[編注,コメント]

 会社に安全教育が義務付けられていると仮定すれば、一般的に, 
全てを現場に一任するやり方は、事故結果に対して「会社は責任を免れない」ということになる。
 法的に、会社には「選任監督」義務---適任者を選任して、その者をしっかり監督しながら、法的責任を果たしていると認められるか---が問われるからだ。
 すなわち、選任しっぱなしはダメで、選任した後、そのものが会社のために必要な任務を果たしているか「監督する」義務が残っている。
 「現場に一任」は、この後段に義務が充分に果たされていないことに、(多くの場合)なる可能性がある。


労務安全情報センター
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社団法人役員に賠償責任保険

(2011.8.12日本経済新聞朝刊記事から)
 
 >>> 日本興亜損害保険は社団法人の役員を対象にした役員賠償責任保険を販売する。2013年までにすべての一般社団法人と公益社団法人に社員代表訴訟制度が導入されることを踏まえ、社団法人役員が被るリスクが高まっていることに対応する。
 社団法人の役員に対して提起される訴訟のうち、補償の対象とするのは社員代表訴訟と第三者訴訟。社団法人自身が役員を訴える法人訴訟は補償の対象から除く。平均的な事例の場合の保険料は年30万円前後となる見通し。
 税制優遇を受けてきた社団法人と財団法人は08年12月1日に施行された公益法人改革3法によって公益社団法人・公益財団法人となるか、一般の社団法人・財団法人となるか、解散するかを13年11月末までに選択しなければならなくなった。
 一般社団法人や公益社団法人の役員になれば、義務違反などによって団体に損害を与えた場合には損害賠償責任を負う。<<< 


[編注,コメント]


社団も訴訟に備える時代、ですか。運営方法の是非を含めた見直しがすすむのか、注目して行きたい問題に一つです。

労務安全情報センター
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復職率低ければ鬱病対策費返金

(2011.8.12日本経済新聞朝刊記事から)
 
 >>> 損保ジャパン・ヘルスケアサービス(東京・新宿)は9月に、鬱病など心の病で休業中の社員を抱える企業向けに新サービスを導入する。専門の医師を紹介するなどのヘルスケアサービスを実施したうえで、休業中の社員が職場に戻る「復職率」の目標を達成できなかった場合は最大で料金の全額を返金する。鬱病対策は効果がわかりにくいが、導入効果を数値化することで使い勝手を高める。
 企業の経営陣や人事部などと面談し、社員の休業状況を把握。その上でサービス内容を提案し、成果目標を決める。復職率はサービス期間中に鬱病などで休業した人数を分母とし、6カ月以内に復職した人数を分子として割り出す。料金や復職率の目標値は企業ごとに異なり、契約終了後の復職率が目標に届かない場合、率に応じて料金を返す。 <<<


[編注,コメント]

なるほど。
企業と精神科医の関係を計る上で、実に興味深いと思った「記事でした」。

この場合の「成果主義」では、シワ寄せはどこに一番よるのか(精神科医?損保ジャパン?)
そもそも、復職率というのは物差しになるのか、等々あるけれど、興味の尽きない「試み」だ!


しかし、「復職率」など、
信頼関係が確立されていれば、出てこない問題なだけに、
精神科医もつらいところだ。


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労災保険-「相談ダイヤル」

 厚生労働省では、労災保険に関するさまざまな相談を受け付ける「労災保険相談ダイヤル」を6月から開設している。

 制度の説明,
 請求方法、
 認定の基準など

 労災保険に関する相談が可能。


 [ナビダイヤル]0570-006031(月〜金 9:00〜17:00)


  【リーフレット「労災保険相談ダイヤル開設のお知らせ」】
   https://krs.bz/roumu/c?c=4323&m=734&v=7d1f8286


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確定拠出年金制度(企業型)の制度拡充へ

 制度改正(2012年1月から実施)によって

(1) 掛け金限度額(税制優遇)は、労使合計で月5万1000円。従業員個人が出せるのは企業の拠出額と同額まで。企業が月1万円しか拠出しなければ、従業員も1万円までとなる。

(2) 掛け金を積み増せる年齢上限も60歳から、企業が選択すれば65歳まで掛け金を積み増せる制度とする。  

  確定拠出年金制度には、企業が運営する「企業型」と自営業者らを対象に国民年金基金連合会が運営する「個人型」の2種類がある。今回の改正は企業型のみを対象としている。

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国民年金追納、10年可能に、支援法が成立!

 国民年金の加入者が未納保険料を追納できる期間が、現行の2年から10年に延長される。

 (3年間の時限措置)

 国民年金の受給には保険料を最低25年間(満額年金を受け取るには40年間)納める必要がある。

 厚生労働省の推計では、追納期間を10年に延長することで未納分の納付が進めば、最大40万人を無年金から救済できるという。(2011.8.4年金確保支援法成立)

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福島第一原発の作業離職者のために、健康管理データベースと健康相談の窓口設置へ

(2011.8.4日本経済新聞朝刊記事から)


>>> 厚生労働省は3日、福島第1原子力発電所の事故処理に従事する作業員の健康管理のため、離職後に健康状態の相談を受ける窓口を設置する方針を明らかにした。在職中は所属している会社が健康管理を実施する。同省は作業員や元作業員の健康情報を収集して分析するデータベースを「早ければ年明けに運用を開始したい」という。
 これまで1万数千人が緊急作業に従事、うち通常の放射線業務の上限である100ミリシーベルトを超えたのは108人。データベースの対象となる作業員は最終的に数万人規模とみられる。対象者には登録証を配布する。 <<<


[編注,コメント]


 福島第一原発の作業現場で、実作業にあたることの多い下請け会社の従業者の離職は少なくないようだから、必要な措置だろう。
 「早ければ年明けに運用を開始したい」
 そのためにも、これまで緊急作業に従事した1万数千人について、1人残らず把握しておくことが必要だ。

労務安全情報センター
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「割増賃金」を支払うと、「歩合給」が減少する賃金制度?

(以下は,2011.7.25共同通信記事から)

 >>> 「割増賃金、相殺は違法」/タクシー会社に支払い命令

 時間外や深夜労働の割増賃金が支給されないとして、タクシー運転手の男性4人が札幌市清田区の三和交通に未払い賃金など計約860万円を請求した訴訟の判決で、札幌地裁は25日、計約520万円の支払いを命じた。

 判決理由で千葉和則裁判長は「賃金規定上、割増賃金を支払うよう定めているが、歩合給を調整することで結局、増額分を相殺している。労働基準法違反だ」と述べた。

 判決によると、三和交通は、時間外や深夜に働くと割り増し分を支払う一方、歩合給が減る仕組みを採用。実質的には割増賃金が支払われず、2008年1月〜10年3月の4人への不支給額は計約300万円に上った。


 三和交通は「納得できず、控訴も含めて検討したい」とコメントした。<<<


[編注,コメント]
 
 「時間外や深夜に働くと割り増し分を支払う一方、歩合給が減る仕組みを採用」というのは、具体的にはどのような方法だろう。
 詳細を確認したいところだ。


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