(2011.8.28日本経済新聞朝刊記事から)
 
 三菱化学や花王、キヤノンなど国内大手15社が、欧州の化学物質規制(REACH)への対応で連携する。


 欧州への製品輸出時に申告が必要な原材料の化学物質を、取引先まで遡って把握するデータベースを共同開発。個別企業だと手間のかかる書類作成を迅速にする。

 どんな化学物質を製品に使っているかは企業機密とすることが多いが、暗号化により必要な企業にだけ情報が分かるようにする。


 REACHは、欧州連合(EU)域内で年間1トン以上製造・輸入する化学物質の管理や報告を企業に義務付けている。多数の化学物質を扱う電機や精密など製造業では手続きが煩雑になる。


 10月をメドに本格稼働させる「オーリス」には三井化学やDIC、日本化薬、丸紅、双日、NECなども参加。原材料を作る化学業界から部品メーカー、最終製品・販売会社まで網羅している。システム開発はeBASEが担当した。


 商社や最終製品メーカーが部品の原材料を照会すると、原材料を作る企業が化学物質の使用量やREACHの登録番号・登録代理人を回答。


 情報は暗号化し、最初に照会した企業と化学物質を作る企業だけが見られる。利用には毎月1000円の共有サーバー利用料のほか、企業が情報量に応じ個別に用意するサーバーの導入費用がかかる。


 日本企業は輸出製品に含まれる化学物質を個別に調査・特定しており手間や経費がかさんでいる。

 オーリスを使えば、書類の不備などで規制違反とみなされ輸出が滞るリスクも軽減できる。今後より多くの企業に参加を促し欧州向け輸出手続きでの標準化を目指す。



[編注,コメント]


 企業機密の壁を、「暗号化により必要な企業にだけ情報が分かるようにする。」方法が確立したのが素晴らしい。


 うまく機能すれば、「REACH」のわずらわしさから解放される。
 (今後の、運用報告も聞きたいものだ。)

労務安全情報センター
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