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職場の受動喫煙防止対策を強化へ 秋の臨時国会に「労働安全衛生法改正案を提出へ」

 2011年9月7日毎日新聞朝刊が、国会提出の記事を掲載している。

 法案の内容は、昨2011.12.12労働政策審議会「建議」の盛られたものがそのままのようだ。


 毎日新聞の記事概要

(1) 厚生労働省は6日、職場の受動喫煙対策を強化するため、一般の事業所や工場では全面禁煙か、一定の条件を満たす喫煙室以外での喫煙を認めない「空間分煙」を事業者に義務付ける方針を固めた。


(2) 客が喫煙する飲食店やホテルなどで対応が困難な場合は、換気設備の設置で浮遊粉じん濃度を基準(1立方メートルあたり0・15ミリグラム)以下にするなどの代替措置を認める。


(3) 秋の臨時国会に労働安全衛生法の改正案を提案し、12年度中の施行を目指す。


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社会保険加入要件を週30Hから20Hへ、専業主婦3号被保険者の年収要件130万円を引き下げへ(検討)

 厚生労働省がパート等の年金加入要件の見直しに動く。主要見直し点は、次の3点。


1) まず加入要件の緩和。労働時間条件を現状の「週30時間以上働いている人」から「週20時間以上」に広げる。

2) 「第3号被保険者」の認定基準を、今の年収130万円から引き下げる

3) 厚生年金保険料の算定に使う標準報酬の下限を月額9万8000円から下げる

ことなどが検討されている。



[編注,コメント]

1)の週20時間基準は、運用面では新しい問題の発生も予想されるが、非正規従業員の割合が38.7%と増え続けることへの規制を行わないのであれば、加入要件を緩和するのは仕方ないのかも知れない。


(企業負担が増えるのは必至だが、社員を非正規化すれば企業負担が減少する仕組みを温存しながら、「兎に角、企業負担が増えるのは嫌だ」というのはどうだろう。)


2)の3号被保険者問題は、そもそもの議論がほしいところだが、
現在の議論では、130万円をどの位まで落とすかで、影響の出方は全く違ってくる。

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EUの化学物質規制(REACH)対応で15社が連携、情報共有強化へ。「暗号化で企業機密問題もクリア」

(2011.8.28日本経済新聞朝刊記事から)
 
 三菱化学や花王、キヤノンなど国内大手15社が、欧州の化学物質規制(REACH)への対応で連携する。


 欧州への製品輸出時に申告が必要な原材料の化学物質を、取引先まで遡って把握するデータベースを共同開発。個別企業だと手間のかかる書類作成を迅速にする。

 どんな化学物質を製品に使っているかは企業機密とすることが多いが、暗号化により必要な企業にだけ情報が分かるようにする。


 REACHは、欧州連合(EU)域内で年間1トン以上製造・輸入する化学物質の管理や報告を企業に義務付けている。多数の化学物質を扱う電機や精密など製造業では手続きが煩雑になる。


 10月をメドに本格稼働させる「オーリス」には三井化学やDIC、日本化薬、丸紅、双日、NECなども参加。原材料を作る化学業界から部品メーカー、最終製品・販売会社まで網羅している。システム開発はeBASEが担当した。


 商社や最終製品メーカーが部品の原材料を照会すると、原材料を作る企業が化学物質の使用量やREACHの登録番号・登録代理人を回答。


 情報は暗号化し、最初に照会した企業と化学物質を作る企業だけが見られる。利用には毎月1000円の共有サーバー利用料のほか、企業が情報量に応じ個別に用意するサーバーの導入費用がかかる。


 日本企業は輸出製品に含まれる化学物質を個別に調査・特定しており手間や経費がかさんでいる。

 オーリスを使えば、書類の不備などで規制違反とみなされ輸出が滞るリスクも軽減できる。今後より多くの企業に参加を促し欧州向け輸出手続きでの標準化を目指す。



[編注,コメント]


 企業機密の壁を、「暗号化により必要な企業にだけ情報が分かるようにする。」方法が確立したのが素晴らしい。


 うまく機能すれば、「REACH」のわずらわしさから解放される。
 (今後の、運用報告も聞きたいものだ。)

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社内の内部通報制度の信頼性が問われた裁判/オリンパスの配転命令は「嫌がらせ」(違法)

 (2011.8.31共同通信記事から)


>>> 社内のコンプライアンス(法令順守)窓口への通報で不当に配置転換されたとして、大手精密機器メーカー「オリンパス」(東京)の社員が会社側に1,000万円の損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は8月31日、請求を棄却した一審東京地裁判決を変更、配転を無効と認め、220万円の支払いを命じた。


  判決によると、社員は、上司が取引先の社員を不正に引き抜こうとしていることを知り、2007年6月に通報。窓口の担当者が社員の名前や内容を上司や人事部などに漏らした後、営業職から3回にわたって別の部署に異動となり、新入社員用のテキストを使った学習をさせられるなどした。 <<<


東京高裁は判決で、


(1) 内部通報による不利益な取り扱いを禁止した社内の運用規定にも反し「人事権の乱用」である。


(2) 通報窓口の担当者は秘密を守って、適正に処理しなければいけなかったのに、守秘義務に違反した。


(3) 配転で「昇格、昇給の機会を事実上失わせ、人格的評価をおとしめた」と認定。配転後に新入社員同様の勉強をさせ、それをやゆした行為も「嫌がらせで違法」とし、精神的苦痛や賞与の減額分を損害と認めた。


などの判断を示した。



[編注、コメント]

 裁判の結果もさることながら


 内部通報制度が企業内で、継子扱いされている現状や企業の本音が垣間見られて興味深い事件だった。


 まず、処分を受けたのが、社内規定に反して守秘義務を犯した通報窓口担当者等ではなく、通報社員だったということ。ここに企業の本音と民度を見た。(上司の取引先社員を引き抜こうとした行為の違法性はよくわからないが、、)


 さらに、人事に最もタブーな行為は「嫌がらせ」だが、
上場企業の対応としてはどんなものだろう。


 恐らく、もっと上層部の雰囲気が人事部の措置に影響を与えているのだろうが、、、。(失うものも大きいような気がする。)


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塩酸タンクに転落、死亡災害−2件の類似災害から学ばなければ、この種の事故は続くだろう

23共同通信(2011/08/24 18:57 共同通信から)


>>> 2011.8.24午前9時35分ごろ、千葉県船橋市西浦の金属製品製造会社「日鉄住金鋼板」船橋製造所で、塩酸が入った強化プラスチック製タンク(高さ約5メートル、直径約3メートル)に男性作業員2人が転落した。駆け付けた救急隊員らがタンク内の塩酸を抜いて2人を救出したが、昼すぎに現場で死亡が確認された。

 製造所によると、2人は、埼玉県内の下請けの配管工事会社から派遣されたSさん(42)とGさん(43)とみられる。船橋署は、遺体の損傷が激しいことから、DNA鑑定などで身元を確認するとともに、事故原因を調べる。<<<(2011/08/24 18:57   共同通信)



この事故に関連した他紙の報道


(日鉄住金鋼板」船橋製造所のコメントを中心に)


>>> タンクは強化プラスチック製で十トン入り。事故当時は塩酸約七トンが入っていた。人が上ると危険なため「作業前にタンクに上ってはいけないと指導していた」(同社担当者)という。二人は鉄製はしごを使って上り、配管を外す作業中だった。<<< (東京新聞2011年8月25日 朝刊)

>>> 塩酸は鉄のさび落とし用に保管されていた。タンク上部は人が乗って作業することが想定された構造になっていないという。同製造所は「タンクの上部に乗る作業は今回は予定されていなかった」としている。<<< 2011年8月24日 20時4分毎日新聞

>>> 日鉄住金−「はしごは、塩酸の残量を示す「液面計」を見るためで、タンク上部は半球面となっており、上る構造にはなっていない。上部のFRPの厚さは不明」<<< (NHKニュース)


[編注,コメント]


  >>> はしごは、塩酸の残量を示す「液面計」を見るためで、タンク上部は半球面となっており、上る構造にはなっていない。

→ タラップの構造から、タンク上部に上る目的にも使われておかしくない(構造)ようにも思われるが。


  >>> 人が上ると危険なため「作業前にタンクに上ってはいけないと指導していた」(同社担当者)

→ このコメントからは、タンクの上部に乗ることは危険だと認識していたようにもとれる。



もう一件の類似の事故!


 2002.4.27というから、相当前の事故だけれど、東京都北区の中外製薬浮間工場内で、上部FRPを突き破って塩酸タンク内に転落して死亡 -今回の日鉄住金鋼板と類似の災害が起こっているようだ。
 2件の事故から得られる情報として、
 塩酸タンクは、設置当初の強度は別として、塩酸蒸気等にさらされることによる強度の劣化が生じて、上部に人が乗るだけの強度が維持されていない可能性がある。


記事転載
委託作業員、塩酸タンク内に転落して死亡 /本所吾妻橋 (02-04-27 22:11)
   
>>> 27日午前8時15分ごろ、東京都北区の中外製薬浮間工場内で作業をしていた産業廃棄物処理会社の作業員、山崎保男さん(35)が、塩酸のタンクに転落。同僚の男性5人がタンクの胴体部分を切断して救出したが、山崎さんは全身に塩酸による化学やけどを負っており、間もなく死亡した。男性5人も塩酸を浴びて軽傷。タンクは高さ約3メートル、直径約2メートルの円筒形で強化プラスチック製。山崎さんらは中外製薬の委託で、この日午前8時ごろからタンクを交換するためタンク内の塩酸を抜き取る作業をしていた。山崎さんはタンク上部の開口部からホースを入れるため、タンクの上に上がっていたという。タンク上部が破損し転落した可能性もあり、同署が詳しい原因を調べている。<<<



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天竜川転覆事故〜安全管理における「現場に一任」の意味について

船頭教育、現場に一任、天竜川下り運航会社。。。 
(2011.8.20日本経済新聞朝刊から)
 
>>> 浜松市の天竜川で川下りの船が転覆し2人が死亡、3人が行方不明になった事故で、運航会社の天竜浜名湖鉄道が採用した船頭の教育や指導をベテランの船頭に事実上、任せきっていたことが19日、分かった。
 同社によると、船頭は委託社員として公募され、現在22人。2級小型船舶免許を持つ8人のうち、経験も豊富な4人を“ベテラン”として、新人船頭の養成講座などを担当させていた。
 新人には講座を受けさせた後、資格が不要で、操船が比較的容易な船首の船頭を受け持たせていた。
 講座に教本などはなく、ベテランの指導を受け、資格や一定の操船技術を要する船尾の船頭に“昇格”するが、明確な基準はなく、船頭としてのデビューや昇格は事実上、ベテランの推薦に委ねられていた。
 同社は「経営側は船の素人。ベテラン船頭の意見は貴重だった」としているが、静岡県警は、船頭の教育や指導を現場に一任していたことに安全管理上、問題がなかったか捜査を進めている。<<<


[編注,コメント]

 会社に安全教育が義務付けられていると仮定すれば、一般的に, 
全てを現場に一任するやり方は、事故結果に対して「会社は責任を免れない」ということになる。
 法的に、会社には「選任監督」義務---適任者を選任して、その者をしっかり監督しながら、法的責任を果たしていると認められるか---が問われるからだ。
 すなわち、選任しっぱなしはダメで、選任した後、そのものが会社のために必要な任務を果たしているか「監督する」義務が残っている。
 「現場に一任」は、この後段に義務が充分に果たされていないことに、(多くの場合)なる可能性がある。


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社団法人役員に賠償責任保険

(2011.8.12日本経済新聞朝刊記事から)
 
 >>> 日本興亜損害保険は社団法人の役員を対象にした役員賠償責任保険を販売する。2013年までにすべての一般社団法人と公益社団法人に社員代表訴訟制度が導入されることを踏まえ、社団法人役員が被るリスクが高まっていることに対応する。
 社団法人の役員に対して提起される訴訟のうち、補償の対象とするのは社員代表訴訟と第三者訴訟。社団法人自身が役員を訴える法人訴訟は補償の対象から除く。平均的な事例の場合の保険料は年30万円前後となる見通し。
 税制優遇を受けてきた社団法人と財団法人は08年12月1日に施行された公益法人改革3法によって公益社団法人・公益財団法人となるか、一般の社団法人・財団法人となるか、解散するかを13年11月末までに選択しなければならなくなった。
 一般社団法人や公益社団法人の役員になれば、義務違反などによって団体に損害を与えた場合には損害賠償責任を負う。<<< 


[編注,コメント]


社団も訴訟に備える時代、ですか。運営方法の是非を含めた見直しがすすむのか、注目して行きたい問題に一つです。

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復職率低ければ鬱病対策費返金

(2011.8.12日本経済新聞朝刊記事から)
 
 >>> 損保ジャパン・ヘルスケアサービス(東京・新宿)は9月に、鬱病など心の病で休業中の社員を抱える企業向けに新サービスを導入する。専門の医師を紹介するなどのヘルスケアサービスを実施したうえで、休業中の社員が職場に戻る「復職率」の目標を達成できなかった場合は最大で料金の全額を返金する。鬱病対策は効果がわかりにくいが、導入効果を数値化することで使い勝手を高める。
 企業の経営陣や人事部などと面談し、社員の休業状況を把握。その上でサービス内容を提案し、成果目標を決める。復職率はサービス期間中に鬱病などで休業した人数を分母とし、6カ月以内に復職した人数を分子として割り出す。料金や復職率の目標値は企業ごとに異なり、契約終了後の復職率が目標に届かない場合、率に応じて料金を返す。 <<<


[編注,コメント]

なるほど。
企業と精神科医の関係を計る上で、実に興味深いと思った「記事でした」。

この場合の「成果主義」では、シワ寄せはどこに一番よるのか(精神科医?損保ジャパン?)
そもそも、復職率というのは物差しになるのか、等々あるけれど、興味の尽きない「試み」だ!


しかし、「復職率」など、
信頼関係が確立されていれば、出てこない問題なだけに、
精神科医もつらいところだ。


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労災保険-「相談ダイヤル」

 厚生労働省では、労災保険に関するさまざまな相談を受け付ける「労災保険相談ダイヤル」を6月から開設している。

 制度の説明,
 請求方法、
 認定の基準など

 労災保険に関する相談が可能。


 [ナビダイヤル]0570-006031(月〜金 9:00〜17:00)


  【リーフレット「労災保険相談ダイヤル開設のお知らせ」】
   https://krs.bz/roumu/c?c=4323&m=734&v=7d1f8286


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確定拠出年金制度(企業型)の制度拡充へ

 制度改正(2012年1月から実施)によって

(1) 掛け金限度額(税制優遇)は、労使合計で月5万1000円。従業員個人が出せるのは企業の拠出額と同額まで。企業が月1万円しか拠出しなければ、従業員も1万円までとなる。

(2) 掛け金を積み増せる年齢上限も60歳から、企業が選択すれば65歳まで掛け金を積み増せる制度とする。  

  確定拠出年金制度には、企業が運営する「企業型」と自営業者らを対象に国民年金基金連合会が運営する「個人型」の2種類がある。今回の改正は企業型のみを対象としている。

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